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アンチも注目されている証。女優・石川翔鈴が築くファンとの「いい距離感」【頬張る、ティーン。♯4】

アンチも注目されている証。女優・石川翔鈴が築くファンとの「いい距離感」【頬張る、ティーン。♯4】

10代から絶大な人気を誇るあの人のプライベートな素顔にフォーカスし、いつもと違ったオフな表情に迫る……『Steenz』のビジュアルインタビューシリーズ「頬張る、ティーン。」。第4回のゲストは、女優・インフルエンサーの石川|翔鈴《かれん》さん(19)です。

AbemaTVの恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました』への出演を機にブレイクした石川さん。3月には20歳を迎えるということで、残りわずかとなった今しか見られない、10代の“おいしい素顔”をお届けします。

今回訪れたのは、JR五反田駅のすぐそばにある韓国家庭料理「まごころ食堂」。石川さんは普段からごはんを食べることが大好きなんだそう。好物だという豪快にサムギョプサルを頬張っていただきました。

お店の人に焼いてもらって「いただきます!」

「女優になりたい!」 家族全員で北海道から上京

―石川さんは地元・北海道で芸能活動をスタートされましたよね。小さいころから女優に憧れていたんですか?

もともと極度の人見知りで、家族も、まさか芸能界に入るなんて想像していなかったんじゃないかなって思います。でもテレビは大好きで、小学校1年生のときに地元・北海道の室蘭で撮影されたドラマ『Mother』にエキストラとして参加したんです。撮影現場で松雪泰子さんや芦田愛菜さんが役に入り込む姿を見て、大きな衝撃を受けて。カメラが回っているときと回っていないときで、表情がガラッと変わるんです! 純粋に「かっこいい……」と憧れちゃいました。それで、観る側じゃなくて、私も演じる側になりたいと思って、女優を目指し始めました。

―中学2年生のときに活動を北海道から東京に移されていますよね。

オーソドックスだけどボリューム満点のサムギョプサル(2960円・2人前)

北海道で事務所に所属して芸能活動をしていたんですけど、なかなか活動の幅が広がらなくて、ずっと悔しい思いをしていました。そんな私を見兼ねたのか、母が「みんなで東京に行こう」と言ってくれて、私が中学校2年生のとき、家族全員で上京しました。母は東京で新しい仕事を探して、兄も関東の学校へ進学して……。背中を押してくれた家族のためにも頑張ろうという気持ちが、いまも強くありますね。

―上京してからすぐに今の事務所に?

所属事務所は最初決まっていなくて、本当にゼロからのスタートでした。毎日ネットや雑誌でオーディション情報を集めて、片っ端から連絡しての繰り返し。1年で100個以上のオーディションを受けたんですけど、見事にどこも受からなくて……。それもあって、高校受験のタイミングで芸能活動を一旦中断したんです。受験勉強して、全日制の高校に進学しました。

それでも、やっぱり女優の夢を諦めたくなくて。モヤモヤした日々を過ごしていたんですけど、高校1年生の冬、原宿の竹下通りで初めてスカウトしてもらったんです! それがいまの事務所でした。

誰に対しても“素”を見せられなかった高校時代

―『今日、好きになりました』に出演したきっかけは?

サンチュの上にエゴマの葉を乗せるのが正しいと聞いて、早速試す。

中学生のときから、恋愛リアリティショーを観るのは好きで。それに、シンプルに恋愛したい気持ちもありました(笑)。オーディションに合格して、出演が決まったことを家族に報告したとき、母が「夢に一歩でも近づいたならよかった」と喜んでくれて嬉しかったです。といっても、恋愛リアリティショー自体、よくわかっていない様子でしたけど(笑)。

―知名度が一気に上がって、生活に変化はありましたか?

高校とか、プライベートの場でも「恋リアに出ている石川翔鈴」として存在しなきゃ……って思い込んでしまって、誰に対しても、素の自分を見せられなくなってしまって。暇さえあればエゴサーチをして、心無いコメントもたくさん読んで……。いま思えば、自分の名前をひらがなやカタカナでも全部検索して、自らアンチコメントを探しにいくような行動を取っていたんですよ。

気持ちはどんどん落ちていったけど、誰にも相談できないし……。反抗期でもあったので、家族にすら相談しなかったんですけど、母もエゴサしていたんじゃないかなって思います。なんとなく母も落ち込んでいるのがわかって、逆に自分が沈んでいたらダメだと思うことにしました。それから、マネージャーさんや共演者、まわりの人たちに相談できるようになって、少しずつ吹っ切れるように。考え方も前向きに変わりました。

—いまはアンチコメントに対してどう思われていますか?

肉汁が垂れないように、頬張る。

アンチでもコメントをいただくのは「注目されている証」だと思うんです。私には、オーディションに落ち続けた”空白の期間”がありますから。あのころは、ファンがいなかったんですよね。それなのにいまは、直接会ったことない人たちが、私についてコメントしてくれている。それってすごいことだと思うんです! 高校三年生の夏には、アンチコメントを見てもまったく気にならなくなっていました。

ファンとは“双方向”の関係を築いていきたい

—SNSを始めたのはいつからですか?

『今日好き』に出る半年前からです。それまではプライベートアカウントのしかなくて。仕事としてのSNSは一切やっていませんでした。Twitter・instagram・TikTokと、3つ同時に始めて、メインではinstagramに投稿していました。『今日好き』に出る前は、instagramのフォロワーは知り合い含めて500人くらいだったんです。それが出始めてから、一気に何十万と増えて。

スマホの通知をオンにしていたら充電がみるみる減っていくから、慌てて通知をオフにしたのを覚えています(笑)。フォロワーが一気に増えてからは、投稿に対する意識が変わりました。

—投稿するときには何を意識されていますか?

箸を使って食べてみたりもしたけれど……

基本的には時間を決めて、毎日投稿します。ファンの子たちがどうすれば喜んでくれるかを常に考えて、投稿する内容を決めています。instagramを始めた当時は、高校生の子たちが親近感を持ってくれるように、制服を着た姿をよく載せていましたね。あと、質問に答えたり、コメントを返したり、ファンの方と積極的に関わる機会をつくるようにしています。

やっぱり、好きな人と触れ合えたら嬉しいじゃないですか。自分がされて嬉しいことを、自分でもいい距離感でやっていきたくて。一方的に応援する愛もあると思いますが、私はお互いに大切に思い合えるような関係を築いていきたいんです。

—SNSでは意見をはっきり伝えている姿が印象的です。普段から自分の思いはストレートに伝えられるタイプですか?

性格的になんでも白黒はっきりさせたいタイプです。でも、発言を後悔することもしょっちゅう。何気なく発したひと言が、相手を傷つけてしまったこともありました。振り返ってみると、もう少し丸く言えばよかったかなって……。

だから、いまは言葉を慎重に選ぶようにしています。大切な人やファンの人たちを、自分の行動で傷つけることがない人生を歩みたい。特にSNSは、いい点でもありますが、何かあればすぐに広まってしまうから。SNSに載せるちょっとした文章も、一言一句丁寧に考えるようにしています。

実際、慎重になりすぎて、疲れちゃうときもありますよ。でもそれは、自分が頑張っている証拠。疲れたときは、大好きな餃子を食べて、大好きな家族と過ごして、自分を労る。気持ちも体も、ちゃんと休めるようにしています。

「演じている」と思わせない女優を目指して

—いまは恋愛はしていますか?

やっぱり、かぶりつくのが、いちばんおいしい!

していないんです! 「今日好き」に出ていた自分を見返したら、恋をしているときは目がキラキラしてる! また恋したいな、と思っています。私のことを甘やかしてくれる人がいたらいいな(笑)。あと、私は鈍感なので、言葉にしてくれないと気づけない。察してと言われても難しいから、きちんと言葉で伝えてくれる人がいいです。

最近、運転免許取得に向けて頑張っているんです。ドライブして、海で夕陽を見て……なんて憧れますね。免許が取れたら、好きな人とドライブするのもいいけど、母と一緒に木更津に行きたい! 実は母が氣志團がすごく好きで、翔鈴の「翔」は綾小路翔さんからとっているくらい。母と一緒にサングラスをかけて、オールバックで、氣志團生まれの地である木更津へ。かっこいいですよね(笑)!?

—女優として、今後の目標はありますか?

「演じている」と思わせないような女優になりたいです。役としてその一瞬を演じるのではなく、その人生をこれまでもずっと生きてきたかのような。映画『万引き家族』が好きなのですが、出演されている安藤サクラさんや松岡茉優さんのナチュラルな演技に、すごく引き込まれます。表面的な演じ方ではなく、役に入り込んでいけるよう、もっともっと成長していきたいです。

もがき続けた10代があったから、今がある

—もうすぐ20歳ですね。振り返ってみて10代はどうでしたか。

さすがに、口に入れすぎました。

10代はうまくいかないことばかりで、苦しくて、先のことを考える余裕はありませんでした。でも、もがき続けた10代だったからこそ、いろんなことを経験して、忍耐強くなれたかな。いまの自分に自信を持てているのは、10代のつらかった日々のおかげ。もうすぐ20歳になりますが、調子に乗らず(笑)、感謝の気持ちを忘れず、これまでと同じように進んでいきたいです。

—最後に、頑張る10代のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。

何にでもチャレンジしてほしいです! 失敗するのが不安で挑戦しなかったり、どうせ無理だと自分の限界ラインを決めてしまったりするのはもったいない。うまくいけば「ラッキー」だし、うまくいかなくても「学べた!」という気持ちで、恐れずなんでも挑戦してほしいな。

失敗した経験や、やりたいこととは直接関係のないようなことも、意外と後から夢に繋がることってあると思うんです。まだ自分が何をしたいかわからない人もいるかもしれないけど、そういう「もどかしい」気持ちも大切に。たくさん経験して、たくさん記憶して、10代を歩んでいってほしいなって思います。

大好きなサムギョプサルをたくさん食べて満足そうな翔鈴さん。「ごちそうさまでした!」

動画で頬張る石川翔鈴

「頬張る、ティーン。」インタビュー動画

動画では、記事には入りきらなかったプライベートな内容が盛りだくさん。ぜひご覧ください。

石川翔鈴プロフィール

2003年3月28日生まれ。北海道札幌市出身。女優、タレント。恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました』(AbemaTV)の「グアム編」に参加し話題に。ドラマ『警視庁・捜査一課長season6』(2022年/EX)、『卒業式に、神谷詩子がいない』(2022年/NTV) に出演するなど注目の若手女優。

今回お邪魔したお店は……

『まごころ食堂』

五反田駅の雑居ビルの2階にあるアットホームな韓国料理店です

電話番号:03-5496-0558
住所:東京都品川区西五反田2-6-15 栄華ビル 2F
営業時間:17:00〜23:00(L.O 22:30)
定休日:日曜・祝日
※土曜は団体予約のみ

Text:Yuuri Tomita

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Yuuri Tomita

ライター

冨田ユウリ 兵庫県西宮市生まれ。京都大学法学部卒業後、2017年日本放送協会(NHK)に入社。2021年に独立し、フリーライターに。雑誌やWEB媒体にて、幅広い分野の人物インタビューと、ルポルタージュ記事を手がける。取材と力士とお祭りが好き。

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