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破壊されたオゾン層が数十年後に回復するかも…。国連が予測を発表【Steenz Breaking News】

破壊されたオゾン層が数十年後に回復するかも…。国連が予測を発表【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、国連が発表した「オゾン層の回復」について、ご紹介します。

オゾン層が今後数十年で回復するかもしれない

1980年ごろから減少していることが発覚した「オゾン層」。冷蔵庫の冷媒やスプレー缶などに広く使われた化学物質「フロン」などがオゾン層を破壊し、南極ではオゾン層が極端に薄くなったオゾンホールが観測されるなど、長らく、環境問題の重要トピックのひとつでした。

オゾン層が破壊されると、有害な紫外線が地表に届き、人間を含めた多くの生物に影響を及ぼし、皮膚ガンになるリスクが高くなるとも考えられてきました。

2023年に入って舞い込んできたのは、そんなオゾン層が回復傾向にあるという嬉しいニュース! 国連環境計画(UNEP)は、現在の取り組みが続けば、2066年には1980年ごろの状態(オゾン層に穴がなかった時)まで回復すると予想しています。

最初にオゾン層の穴が発見されたのは1985年。その翌年には、オゾン層の破壊を止めるための「モントリオール議定書」を発効。これによってオゾン層に悪影響を与えるフロンなどの使用が制限されていきました。

よく間違える「オゾン層の破壊=地球温暖化」という考え方

多くのひとは「オゾン層破壊」と聞くと、「直接太陽の光が注ぎ込むことで、地球が温められてしまうのでは?」と考えてしまいます。しかし、実際のところ、オゾン層が破壊されたとしても、地球に降り注ぐ太陽光は、本来の太陽のエネルギーの0.02%以下。太陽光によって温暖化が進む、という考えは正しくありません。

しかし、オゾン層の破壊は地球温暖化とは無関係、とは言い切れないのです。というのも、オゾン層破壊の原因として規制を受けてきたフロンは、温暖化を加速させる温室効果ガスの一種でもあるんです。

つまり、オゾン層の破壊が直接温暖化につながらなくても、フロンが増えることで、地球温暖化が促進される可能性があるということです。そういった意味では、オゾン層破壊と地球温暖化への解決は相互関係にあると言えるでしょう。

オゾン層の回復は、地球温暖化抑制の大きな希望に

オゾン層回復の発表の中で、世界気象機関(WMO)のターラス事務局長は「国際社会の団結は良い影響がある。今回の成功は地球温暖化対策の前例になる」とコメント。特定の国だけの努力だけでは、なかなか難しい環境問題。しかし国際社会が協力することで、大きな結果につながるという事実を、今回のオゾン層回復は象徴しています。

これは、わたしたち個人にも当てはまること。みんなで協力すれば、自分だけでは乗り越えられない壁を、越えられるかもしれません。まさに「ひとりの100歩より、100人の1歩」ですね!

Reference:Scientific Assessment of Ozone Depletion 2022 Executive Summary
Text:Tommy

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Tommy

ライター

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