「気になる10代名鑑」の326人目は、重枝梨乃さん(19)。大学で建築を学びながら、さまざまなジャンルでモノづくりをしています。小さいころからさまざまなクリエイティブ体験をして、いまは気持ちの向くままに創作に励んでいるという重枝さんに、今に至るまでの道のりや内に抱いている思いについて伺ってみました。
重枝梨乃の活動を知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を注いでいる活動は?
「大学で建築を学びながら、分野を絞らず、いろいろなジャンルのモノづくりをしています。常に自分の心の動きにアンテナを張るようにしていて、ピンと来たものにはとりあえず触れるようにしています。
最近始めたのは、高校生のころから興味があったプログラミング。アプリの開発をやってみたくなって。自分でコンセプトを考えて、イチから自由につくれるから、すっごく楽しいです。
大学に入って、『もっと遊んだほうがいいんじゃない』とか言われることもあるけど、でも私は何かに夢中になっているほうが楽しくて。だからいつもアンテナを張りめぐらせて、何かしらつくっています」
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Q2. 創作活動を始めたきっかけは?
「幼稚園のときから、ずっと部屋に閉じこもって、何かをつくっているような子どもで、モノづくりはずっと好きでした。
小さいときから自分がつくったもので人が喜んでくれるのが嬉しかったんです。小学生のときに描いた絵を、先生や親に渡したらすごく喜んでくれたり、自分の絵を見た子と友達になれたり。あと、高校のときに短期留学で、スイスに写真を学びに行ったんです。そこで、英語は全然話せないけど、作品を通して認めてもらえて。言葉よりも、作品を通してコミュニケーションできたことが嬉しくて。
大学で建築を専攻しようと思ったのは、小学生のときに通っていた、建築家の伊藤豊雄さんが主催する『子ども建築塾』に通ったことがきっかけ。与えられたテーマから建物を考えるんですけど、『火』とか『木』といった、いいろいろなテーマがあって、すごく刺激的で。いま思えば、子どもの発想って突拍子もないから、先生たちも刺激を受けていたんじゃないかと思います」
Q3. 悩みはありますか?
「自分の直観のまま動くうちに、いろんなことに手を出しすぎてしまって……(笑)。広く浅くになっている現状は、どうにかしないといけないかなって思っています。何が得意か聞かれたときに、自信を持って『これが得意です』って言えるものがないんです。だから、ゼロから生み出す技術も足りないと感じていて。
そうとは思いながら、いまはやっぱりいろいろやってみたいし。いつかやっていることを全部結び付けて、何か新しいことができたらいいなと思っています」
Q4. 印象的な出会いは?
「ハリウッドなどで活躍されている特殊メイクアーティストの片桐裕司さんとの出会いです。
高校生のころ、何か吸収したくて映画をたくさん見ていたんですけど、だんだん特殊メイクに興味が沸きてきて。特殊メイクについて調べるうち、片桐さんの存在を知って。作品だけでなく、生き方にも衝撃を受けました。
それで思い切って、片桐さんが開催している教室に申し込んでみたんです。教室にはすでにクリエイティブに働いている大人しかいなくて、すごく緊張しました。そんなふうに積極的に行動したのは、このときが初めてで。この教室で立体物の面白さを知って、大学で建築を学びたいという思いにつながった気もします」
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Q5. 今後の展望は?
「まだ具体的には決まってないんですけど、自分らしい姿でいられる仕事をしたいです。父がすごく楽しそうに仕事をする人で、その姿を見ているからこそ、好きなことを仕事にしたいと思う。その反面、好きなことを仕事にしてしまうのは逃げ道がなくなってしまうような気がして、正直、迷っています。
人と話すことも好きだし、モノづくりも好き。創作活動を通して、人と人がつながっていくような仕事をできたらなと思っています」
重枝梨乃のプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都
所属:日本女子大学 家政学部 住居学科建築デザイン専攻
趣味:スキューバダイビング
特技:ヴァイオリン
重枝梨乃のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Minori Abe