世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今回は、英国発の子ども向けアニメーション『きかんしゃトーマス』に登場した、自閉症のキャラクターについて、ご紹介します。
自閉症の友だち「ブルーノ」が仲間入り
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子ども向けの人気アニメ『きかんしゃトーマス』に、自閉症のキャラクター「ブルーノ」が登場し、話題を呼んでいます。
キャラクターの性格には、対人関係が苦手だったり、強いこだわりを持っていたりといった「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム・ASD)」を抱えている人の特徴で描かれています。その描き方には当事者の声が多く取り入れられており、声は自閉症を持つ子どもたちが担当しています。
ブルーノは、強力なブレーキで重い貨物の輸送をサポートする「ブレーキ車」。性格は明るく、時刻表やスケジュール、そしてダジャレが大好き。イギリス版で声優を務めるエリオット・ガルシアさんは、ブルーノがイヤーマフで騒音に耳を塞いだり、心配なことがあると、すぐに解決策を講じたくなったりする姿に、共感するそうです。
子ども向けコンテンツの「レプレゼンテーション」
「レプリゼンテーション(representaion)」とは、メディアやエンターテイメントにおいて、社会を構成する人々の多様性を正しく反映させ、社会やマイノリティの公正な描写を目指すこと。
子ども向けコンテンツの制作にも、こうしたレプリゼンテーションの視点を取り入れることで、視聴者のマイノリティへの理解を助けたり、当事者がより生きやすい社会を創るための一歩になったりします。
『きかんしゃトーマス』では、ほかにも女の子の機関車やアジア出身の機関車が登場するなど、子どもたちの視野を広げてくれそうな個性豊かなキャラクターが続々と登場しています。
セサミストリートでは自閉症の「ジュリア」も人気
アメリカの人気テレビシリーズ『セサミストリート』にも、自閉症を持つ女の子「ジュリア」が登場しています。
ジュリアに初めて出会った際、主要キャラクターのビッグバードは、お絵描きに夢中のジュリアに無視されてしまい、会話も思ったように進みませんでした。ビッグバードは少し驚きを見せますが、セサミストリートの仲間がジュリアについて教えてくれたり、ジュリア自身の明るい性格が相まったりして、ユニークな友達になっていきます。
日本もアニメや漫画などを世界に発信しているコンテンツ大国。日本のアニメやテレビシリーズ作品でも、自閉症をはじめ、社会の多様性をより反映したキャラクターが登場する作品が、これから増えてくるかもしれませんね。
Reference:
Thomas & Friends UK – Meet the Newest Character Bruno the Brake Car!|YouTube
Text:Kei Hayashi