「気になる10代名鑑」の276人目は、柴田悠来さん(18)。幼いころから習ってきたピアノを活かし、同じ高校のメンバーでバンドを結成、ライブ活動をしてきました。バンドは楽曲チャート1位を獲得するほど注目を集めていましたが、今年3月に惜しまれながらも解散。現在は個人で音楽活動を続けている悠来さんに、いままでとこれからについて、胸の内を明かしてもらいました。
柴田悠来を知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「月に1〜2曲ぐらい個人で楽曲制作をしたり、バンド時代のつながりを活かして、シンガーソングライターの方のサポートとして、ピアノを弾いたりしています。
今年の3月まで、同じ高校のメンバーと『フミンニッキ』という男女4人組のバンドを組んでいました。ありがたいことに、去年発表した『水溶世界媒体少女』という曲は40万回ほど再生していただいて。タワーレコードからミニアルバムも出させていただきました。
わたしはキーボーディストとして活動していて、ピアノのパートは自分でつくっていました。バンドは解散してしまったけど、メンバーから『悠来のつくるフレーズが好きだ』と言ってもらったことが、いまも楽曲制作の自信につながっています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「母の影響で、3歳からエレクトーンとクラシックピアノを習っていました。小学1年生のころからはコンクールにも出場していたのですが、なかなか上の大会に勝ち進めないことが多かったんです。だから、音楽で生きていくことの難しさや挫折のつらさも幼いながらに痛感していました。
しかも友達が公園で遊んでいる間に、毎日ピアノの前に座って、何時間も練習しなきゃいけなくて……。早く大人になってピアノを辞めたいと思っていた時期もあります。だけど同時に、ピアノを辞めたら何が残るんだろうっていう思いもあったりして。いま思うと、あの時期を乗り越えたおかげで、忍耐力や集中力が培われたと思います。
バンドは高校に入って、軽音楽部に入部したのを機に結成しました。ライブハウスなど外で音楽活動をするようになってからは、人前で演奏する楽しさや、音楽の楽しさをあらためて感じられるようになった気がします」
Q3. どんなことを大切にして、活動していますか?
「自分が聴いてときめくフレーズをつくることです。私が『いいな』と感じたものを、聴いてくれる方にも共有したい気持ちが強くあるので、自分が自分のファンでいる気持ちを大切にして、楽曲をつくっています。
私にとってのときめくフレーズは、何回も聴きたくなるようなもの。読書が好きで、本をよく読むのですが、読んだ本の世界観から曲をつくることもあります。本を読むときは、主人公の顔や物語に出てくる家の間取りなどを頭の中で想像しながら読み進めるんです。音楽をつくるときも同じで、常に頭の中で景色を描きながらつくっています」
Q4. 影響を受けた人や作品などがあれば、教えてください。
「君島大空さんにとても影響を受けています。君島さんのライブを観に行ったとき、初めて『音楽って美しいんだ』って感じたんです。
実はそのとき、将来の進路を、音楽ではなく、別の職業に就くことを考えていて。ちょうどバンドの解散が決まって、自分の中で音楽とどう向き合おうか考えていた時期だったんです。仕事は別にもって、音楽は趣味程度に続けようかなって。
だけど君島さんのライブに行って、やっぱりわたしも、君島さんのように美しい音楽をたくさんの人と共有したいって思ったんです。音楽を仕事にしていくのは厳しいのはわかっているけど、それでもちゃんと音楽と向き合い続けたいと思って、音楽、特に作曲の道に進むことを決めました」
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Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「4月から作曲についてもっと学ぶために、大学に進学します。実はいままで、作詞作曲についてちゃんと学んだことがなくて、独学でやっていたんです。だからこそ、一度しっかり学びたくて。学び直しつつも、引き続きサポートとしての活動をしていく予定です。
あと個人的には配信などにもチャレンジしたいと思っていて。つくる音楽も、いままでは歌詞のある曲が多かったのですが、インスト曲など、さまざまなジャンルの音を奏でていきたいです」
柴田悠来のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
所属:都立鷺宮高校
趣味:読書、ドラマ鑑賞、散歩
大切にしている言葉:輝く街 夢の最中 どこに居ようとも間違いじゃない
(BORDERLESS/雨のパレード)
柴田悠来のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya