
「気になる10代名鑑」の1022人目は、絵里 佐別當さん(14)。 ホームスクリーニングをしながら、音楽活動と絵本制作に力を入れています。シェアハウスを営む両親のもとで幼い頃から世界中の文化に触れて育った絵里さんに、今力を入れているロック研究や実現したいヴィジョンについて、根掘り葉掘り聞いてみました。
絵里 佐別當を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは何ですか?
「ホームスクーリングをしながら音楽に力を入れています。ギターは3〜4年ほど続けていて、毎日練習しています!
特に、80年代のハードロックやグラムメタル、60年代のサイケデリックロックに惹かれていて。ギターのほかにも、歌やドラム、ピアノにも挑戦しています。
音楽活動に影響を与えているのが、過去の絵本制作です。7歳の頃に外国人への差別を目の当たりにし、『どうしてだろう』と感じたことがきっかけで、自分の気持ちを雲のキャラクターにのせて、これまでに8冊ほどの絵本を作りました」
Q2. 活動を始めるようになったきっかけは?
「両親がAirbnbとシェアハウスを組み合わせた家を建て、小さい頃から世界中のひとと関わる環境で育ちました。海外のひとと話したり食事をしたりするなかで、自然とさまざまな文化に触れてきて。さらに、母が音楽やアートのイベントを開いていたこともあり、そうした表現に惹かれるのは、自然な流れだったんだと思います。
そんな中、2年前にロックンロール、特にGuns N’ Rosesに出会って。そこから雑誌や本、音源を徹底的に調べ、ロックは音楽そのもの以上に生き方を教えてくれる存在だと感じるようになりました。
いまの時代は短く消費される音楽が多いと思うんですが、ロックには長い歴史があって、言葉や音楽に耳を傾けたときに自分を肯定してくれる存在だと気づきました」
Q3. 活動をする中でつらかったことは?
「3〜4年前は反抗期で、自分の環境に悲観的になることが多く、感情を整理することができなかったことで、音楽でもうまく気持ちを表現できませんでした。
でもいまは、自分が本当に好きな音楽に出会い、夢中になれることの喜びや、自分を客観視できるようになったことで、親への感謝を伝えることの大切さにも気づけるようになりました。いまは前向きに、元気に音楽に取り組めています!」
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Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?
「音楽が『聴くもの』から『向き合うもの』になるような時代を、もう一度取り戻したいと思っています。
わたしもいまは、自分の音楽スタイルを見つけるためにも、アーティストの背景や時代性まで掘り下げて学んでいて。
1曲だけが流行して終わるのではなく、アルバム全体が評価され、リスナーが音楽を深く味わい、研究したくなるような文化をつくっていきたいと思っています」
Q5. 将来の展望は?
「いい意味で“研究オタク”なロックスターになるのが夢です。
特に80年代のロックスターたちなど、自分が影響を受けたアーティストたちと、いつかいっしょに仕事ができるような存在になりたいと思っています。自分の持っている優しく柔らかい声を活かしながら、それをロックミュージックと融合させて、これまでにない新しい表現をつくりたいです。
一方で、60〜80年代の音楽の魅力を現代にもう一度広めたいという夢もあります。そのために、大学ではマーケティングを専門的に学び、音楽と社会とのつながりや、広め方の戦略もしっかり身につけたいと思っていて。そして、将来的にはレコード会社や音楽関連の現場でインターンをすることも考えています」
絵里 佐別當のプロフィール
年齢:14歳
出身地:東京都品川区
所属:Wolsey Hall Oxford UK
趣味:ギター、ロック、歌、ドラム、ピアノ、雑誌を読む、タロット、深掘りすること、レコードを集める、音楽を聴く
大切にしている言葉:「Life sucks but in a beautiful kind of way」(Axl Rose)「They may call me a sinner, but I am at peace with myself」 Brigitte Bardot
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Photo:Nanako Araie
Text:Honori Kukimoto