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ごみ拾い後の一杯のコーヒーで地域をつなぐ。ごみ排出量ワースト1位だった市で輪を広げる大学生【ゆうとん・18歳】

ごみ拾い後の一杯のコーヒーで地域をつなぐ。ごみ排出量ワースト1位だった市で輪を広げる大学生【ゆうとん・18歳】

「気になる10代名鑑」の1146人目は、ゆうとんさん(18)。埼玉県本庄市を拠点として、街をきれいにしながら、地元の人たちのつながりをつくる活動を高校生のときに立ち上げました。最近では子どもたちが楽しそうに参加する姿がうれしいと話すゆうとんさんに、そのきっかけや、これからのヴィジョンについて聞いてみました。

ゆうとんを知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

「『Cleanup Coffee Club Honjo(CCC本庄)』と『学生団体連合UNION』での活動に取り組んでいます。

CCC本庄は、高2のときに立ち上げた、埼玉県本庄市で毎月1回開催しているごみ拾いイベントです。本庄の街を歩いてごみを拾い、そのあとはコーヒーを飲みながら交流会をするという、参加者同士がゆるくつながることができるコミュニティなんです。

これまでに約20回ほど地道に活動を続けてきたのですが、最近は地域の子どもたちが宝探しのように街をきれいにする姿もあって。そんなうれしい瞬間を、自分のお気に入りのチェキカメラを使って切り取って、写真に残すようにしています。

また、学生団体連合UNIONでは、中高生向けのオンラインイベントの企画・運営を担当しています。司会進行や議事録、企画づくりなど、学生同士が学び合える場づくりに、実践をベースに取り組んでいます」

Q2.活動を始めたきっかけは?

「高校時代、なんとなく本庄市のごみ問題について調べたことがきっかけです。

すると本庄市は一時期、ごみ排出量ランキングでワースト1位だったことを知って。いても立ってもいられず、高校生でもできることを考えていくうちに、Cleanup Coffee Clubのプロジェクトを思いついたんです。

当時、ぼくは本庄市の高校に通っていたのですが、7つの高校が合同で開催していた大規模な文化祭でおこなった町おこしプロジェクトに参加していたご縁で、追加プロジェクトとしてCCC本庄を受け入れてもらうことができて。

CCC本庄をはじめるにあたって、とあるカフェのオーナーに快く協力をいただいて、カフェの一角を借りて、コーヒーの淹れ方を一から教わって、イベントを実施することができました。

本庄市が今後ごみ問題でワースト1位にならないように……と思って行動し始めてみたら、意外にもたくさんのご縁や力添えが得られて、いまの活動があるんです」

Q3.活動の中で、悩みがあれば教えてください。

『自分はどうあるべきか』をよくも悪くも気にしてしまうことです。

高校時代、生徒会選挙に挑戦しようとしていたぼくは、『お前に生徒会は役不足』『お前が入ったら学校が崩壊する』と心ない言葉を言われ、挑戦を諦めそうになったことがあったんです。そんなときに、中学時代の親友が『大丈夫、やれるよ』とずっと励ましてくれて。そのおかげで、前を向くことができました。

また、いまでも、自分がしんみりしていると、周囲のひとの気分までしんみりしてしまうような気がして……。つい『笑顔でいなきゃ』と自分を追い込んでしまうときもあります。

でも、みんなでコーヒーの淹れ方を教え合ったり、悩みを打ち明けたり、そんな一瞬が積み重なっていくだけで、ひとはすごくポジティブになれると思うんです。だから、一人ひとりと丁寧に向き合う時間に集中することで、悩みながらもありのままの自分を愛してあげられたらいいなと思っています」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

どんなに些細でも、人と人との繋がりを大切にしている社会をつくりたいです。

最近は、SNSでフォローボタンをタップするだけで、誰とでも繋がることができますよね。でもそれって、誰とも深いところでは繋がれていないことの裏返しなんじゃないかって、ぼくは思うんです。

面と向かってそのひとのことを肌で感じて、はじめて人として好きになれると思っていて。だから、まずは直接会ってみることを大切にしたいんです。

自分の取り組んでいるCCC本庄の活動では、一見ゴミ拾いはただの作業にしか見えないかもしれません。でも、誰かと並んで歩くだけで話が生まれたり、コーヒーを淹れながら『最近どう?』って自然に相談ができたり。そういう、直接会うからこその、ふと救われるような瞬間や、ポジティブな考えに切り替えられる瞬間をもっと増やしていきたいです」

Q5.将来の展望は?

将来は、司会業に挑戦してみたいです。

ぼくは司会をしているときの自分がいちばん輝ける感覚があって。これまでイベントの中で司会進行役を務めることが多々あって、『司会の人』として定着しそうなほどで(笑)。

表に立って主役になるタイプではないけれど、登壇者といったほかのひとを支えながら、場の空気をつくる存在というのが、すごく素敵だと感じていて。場をつないで、誰かを照らす役割が、不思議とすごくしっくりくるんです。

最終的には、地域や社会のいろんな場で、人の魅力を引き出す司会者になりたい。ぼく自身が、生徒会選挙で友人に励ましてもらったように、誰かの背中をそっと押せる人でありたいんです」

ゆうとんのプロフィール

年齢:18歳
出身地:埼玉県鴻巣市
所属:城西大学経営学部1年、学生団体連合UNION、Cleanup Coffee Club Honjo
趣味:風景写真を撮ること、司会進行
特技:誰とでも仲良くなることができること
大切にしている言葉:優れるな異なれ、”過去”と”他人”は変えられないけど”未来”と”自分”は変えられる、自分という物語の主人公は自分自身

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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami

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Taishi Murakami

ライター

ライター。2025年4月にSteenzへジョイン。大学生活の傍ら「気になる10代名鑑」をメインにインタビューから執筆まで記事制作を担当している。スタートアップ、建築、メディアまで多方面への関心を活かして活躍中。

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