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鹿児島に大学進学という選択肢を。地元の自習室運営を東京から支える大学生【琉斗・18歳】

鹿児島に大学進学という選択肢を。地元の自習室運営を東京から支える大学生【琉斗・18歳】

気になる10代名鑑」の1128人目は、琉斗りゅうとさん(18)。地元鹿児島で、無料自習室を開設する団体に高校生のときから所属し、いまは後輩たちをサポートしています。上京したいまも地域の中高生のために働きかける琉斗さんに、活動への思いや将来の展望を聞いてみました。

琉斗を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

地元の鹿児島市喜入きいれ町で、中高生中心の任意団体『喜入マナビバプロジェクトつわぶき』に所属して、テスト期間に無料自習室の開設や地域住民向けのイベントの企画、運営をおこなっています。

2023年から、団体としてつわぶき祭というお祭りを開催していて、メンバーがやりたいことを全部やろうという取り組みもあって。例えば、食べ物を作ったり、ヨーヨー釣りや書道パフォーマンスのブースを設けたり、といったものです。

設立当初から中高生メンバーとして前線で活動し、大学生となった現在はおもに後輩の活動の手助けをしています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「実は、この団体の創設者が自分の姉で。最初は数合わせで入りましたね(笑)。

でも、意識して地域を見るようになったり、地域の人たちと話すなかで『求められているんだ』と感じたり、だんだんと喜入のために何かしたいと思うようになりました。

振り返って考えると、明確な強い分岐点があったわけではないのですが、小さいころから公民館講座や地域で子ども会に参加していた経験から、地元愛が源泉としてあるのではないかと思っています。

いまは、先輩サポーターとして後輩たちにいろいろ学びの体験をしてもらいたいという気持ちで活動しています」

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

「文科省の主催する地域探究プログラムです。

それまで地元にしか関心がなかったのですが、見知らぬ地域を自分のふるさとのように捉えて課題解決を試みる取り組みで。鹿児島の『大隅自然の家』で研修に参加し、そこで大隅の町について教えてもらいながら、イベントを企画しました。研修の過程では、鹿児島の職員と話すこともあり、他の地域で熱心に取り組んでいる人の存在に衝撃を受けましたね。

調べる中で、喜入にはない大隅特有の事柄や、反対に喜入にしかないものを見つけ、『他の地域を知ることが地元を知ることにつながるんだ』と実感した経験です

Q4. 活動をする中でつらかったことは??

高校2年生のときに、中高生メンバーを束ねる会長職に就きました。それまで会長の指示を受けて動いていた状態から、自分でメンバーを動かす立場となって。人を頼ることが苦手なわたしにとっては、高いハードルでした。

そんなにとき、いっしょに活動してきたメンバーが、自分の得意分野で率先して仕事を担当してくれたんです。SNSに慣れているメンバーはホームページの運用をいっしょに考えてくれたり、絵が上手な人はイラスト描いてくれたり、いろんなかたちで支えてくれました。

強いボスにはなれなかったと思いますが、いっしょにがんばるリーダーにはなれたのかなと思います

Q5. 将来の展望は?

将来は地元のために働きたいと考えています。これまでの活動は、多くの地域や行政の人たちが支えてくれたことで成り立ちました。今度はわたしが支える立場になりたいという思いがあります。

そもそも大学数が少ない鹿児島は、大学進学率が低くて。それってもったいないことだと思うんです。

それだけではなく、とくに男女の間において、男子は大学進学、女子は何か相当の理由があるから大学に行くんだろうという風潮が少なからずあるんですよね。だから、大学という選択肢を誰もが選べる地元にしていきたいです」

琉斗のプロフィール

年齢:18歳
出身地:鹿児島県鹿児島市喜入町
所属:慶應義塾大学、喜入マナビバプロジェクトつわぶき
趣味:一人旅、パソコン、フットサル
特技:事務作業
大切にしている言葉:率先垂範

琉斗のSNS

★Instagram

Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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