
「気になる10代名鑑」の1117人目は、HAKUさん(19)。9歳でタップダンスと出会い、現在は大分県を拠点にインストラクターをしながら、各地のダンスイベントに出演し、大会にも精力的に出場しています。先日、コンテストで日本一に輝いたHAKUさんに、当時のエピソードや今後の目標について詳しく聞いてみました。
HAKUを知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。
「これまでに培ってきた多様なジャンルのダンスを融合させながら、唯一無二のタップダンサーを目指して活動しています。
いまは大分県のスタジオでアシスタント・インストラクターを務めながら、月に数回、県外でのさまざまな舞台活動やコンテストに出演し、スキルを磨く毎日です。
はじめに言ったように、活動のテーマとして『唯一無二』を掲げていて。ダンスは、タップに限らず先人たちが築き上げてきた型っていうのがあって、そこも大切にしつつ、時代の流れとともに変わる観客側の視点にうまく対応できるように意識していますね。それに加えて、見る人の予想を上回るような表現力や構成力、技術力を、頑張って身につけている最中です」
Q2.活動をはじめたきっかけは?
「ダンスを始めたのは6歳からです。最初は、地元のスポーツクラブの一角にあるダンススタジオでヒップホップを習い始めて。その後10歳でダンスの幅を広げるためにスタジオを移動し、ジャズ、タップ、ミュージカルなど、さまざまなジャンルを習いました。
タップダンスは、最初のダンススタジオの隣にあるカルチャーセンターで、その教室があるという話を母が聞いたことがきっかけで始めて。母は、北野武の『座頭市』という映画が好きで。ラストで下駄を使ってタップダンスをするというシーンに衝撃を受けたらしく、ほぼ連れて行かれるかたちでタップと出会いました。母いわく、5歳のぼくが『お靴のダンスがしたいの!』と言っていたらしいのですが……あまり覚えてないですね(笑)。
はじめこそ母の影響ではじめましたが、自分で音楽を生み出せるところにすごく惹かれたんです。次にステップを踏むときには、直前にやったリズムとは全然違うリズムが流れるし、鳴らし方によって感情を表せるのがいちばんの魅力で、タップダンスを好きになったきっかけですね」

Q3.活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「今年の9月に神奈川県の川崎で開催された『川崎タップフェスティバル』というタップダンスイベントで、ソロコンテストの一般の部で日本一になったことです。昨年出場した学生の部では準グランプリだったので、その悔しさをバネにした大会でした。
『自由』というテーマで、振り付けを作ったんです。いままでのダンス人生を振り返ると、いろいろと葛藤や苦しみがあって。ダンスを学んでいくうちに固定概念が出来上がってしまって、自分で自分のことを苦しめていた期間もあったのですが、そこから解き放たれて『自由』になったという意味を込めて踊りました。飛んだり回ったり、ジャズやハウスなどの他ジャンルを彷彿とさせるような振り付けを加えることを意識しましたね」

Q4.活動するうえで、大切にしていることは?
「タップダンスを始めてから現在までずっとお世話になっているIKKEN先生の『独りよがりのタップをするな』という言葉を胸に刻んでいます。スキルだけでなく、礼儀も持ち合わせたダンサーになりたいです。
あと、先生には、タップを鳴らす、奏でるという意識を持って踊りなさいとも言われていて。聞いてる人の耳が心地よくなるようなタップっていうのをいちばん大事にしていますね。いまのタップダンスはスキルや手数が重視されることが多いのですが、自分の中では、スキルの向上ももちろんですが、それ以上に音を奏でることを意識して踊っています」

Q5.将来の展望は?
「すべてがタップダンスだけのひとつの舞台を作りたいです。セリフは一切なく、タップの足音だけで感情を表現するような世界観を演出したい。いまはまだ漠然としてるんですけど、そういう舞台や、プロモーションビデオを作りたいなって思ってます。
この夢を叶えるためにも、たくさんのタップダンサーやタップダンスのスタイルを見て、もっともっと自分のスキルに磨きをかけたいです。舞台や芝居など、他ジャンルの感性も高めていきたいと思っています」
HAKUのプロフィール
年齢:19歳
出身地:大分県大分市
所属:TAP DANCE STUDIO ConnecT アシスタント・インストラクター
趣味:映画鑑賞
特技:ダンス、ビートボックス
大切にしている言葉:行動力
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa






