
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは、恋をしていないと青春じゃないなんて言葉もありますが、一方でそんな価値観にモヤモヤを抱えているティーンもいるようです。そんな10代のリアルな恋愛観を赤裸々に話してもらいました。
1. 荒井あずささん「多様な恋愛を楽しみつつ、自分時間も大切に」

体のパーツを誇張したビビットなデザイン画を描き、3月に開催予定の個展に向けて準備に励んでいる17歳。
「わたし自身、恋愛というかたちが好きです。そういった映画や本、アニメを見ることも。最近はいろんなかたちの恋愛が認められ、多様化されるようになっている様子もまた、美しいなと思います。
ただ、恋愛だけにすべてを注ぐことは自分には合っていないなとも思っていて。ひとりの時間を優先しながらも、楽しめたらなと思っています。特に、わたしの場合は絵を描くことに人生の軸に置いているので、同じような温度感で趣味を持っている人がいいなと思います」
2. 外所もみじさん「学業・活動優先。価値観が合う人と」

立性調整障害や不登校といった自身の経験を原点に、子どもたちが安心して学べる環境づくり目指して活動している17歳。
「わたしは、活動や学業が優先なタイプなので、同じような優先順位を持っていて、わたし自身の活動や体調に理解が得られる恋愛をすることが理想です。
恋人が欲しい、作りたいと思うのは、イベントのときくらいで、普段はそこまで恋愛に重きを置いていません。なんでも話せるパートナーでいてくれたら嬉しいなとは思うのですが……。
わたしはビジネスもしていますが、不器用なところがあるのでプライベートと仕事はきちんと分けたいです。あと、同業者とは付き合うことはあまりないと思っています」
3. 夏椰人さん「恋愛は生活の一部。距離があっても安心できる理想の関係」

人気急上昇中の「モルック」というスポーツを広めるべく、学内で同好会を立ち上げた18歳。
「自分が感じる恋愛観は、毎日ドキドキし続けるものではなく、安心感と信頼を土台にした生活の一部だと思っています。お互いを縛らず、自分の時間や趣味を大切にできています。そんな恋人らしさに縛られないところが、理想形です。
『恋してない=青春じゃない』とは思わないし、友だちや活動を優先する時期があってもいいと思います。
1年半以上付き合っているパートナーとは、数か月会えない時期があっても問題ないような、家族みたいな関係で。連絡は必要最低限で、電話もほとんどしません。でも、会えばディズニーも野球観戦も全力で楽しむ。
恋愛は、刺激よりも、距離があっても安心していられる場所であることが大事だと思っています」
4. えあーどうがさん「10代のうちだからできる恋愛を」

体のパーツを誇張したビビットなデザイン画を描き、3月に開催予定の個展に向けて準備に励んでいる17歳。
「恋愛している人を見ると、正直『いいなあ! うらやましい!』って思います。恋をしていないと青春じゃないとまでは思いませんが、10代のうちに、たとえ痛い目にあってもいろんな人と付き合ってみる経験は大事かなって。
あとは、学生のうちにしかできないこと、人生で一度は制服デートをしてみたいです!ただ、自分の性格的に活動や趣味を優先してしまうので、人としてそこはきちんとスケジュール管理をしていこうとも感じています」
ドキドキよりも安心感を大切にする人もいれば、恋愛より趣味や活動を優先する人。恋愛に対するそれぞれの違いが、10代らしい個性として浮かび上がってきました。これからも、「10代リアルVOICE」では、ティーンのリアルな視点を伝えていきます。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano