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農業の魅力を同世代にも広めたい!ファーマDXに挑む高校生起業家【高野守生・18歳】

農業の魅力を同世代にも広めたい!ファーマDXに挑む高校生起業家【高野守生・18歳】

「気になる10代名鑑」の310人目は、高野守生しゅうさん(18)。高校1年のときに経験した課外活動を機に、農業を軸に事業を立ち上げ、現在は合同会社設立に向けて、準備を進めています。高校卒業後も大学進学はせず、事業に打ち込むと決断した高野さんが、活動を始めたきっかけや最初のアクションについて、詳しく聞いてみました。

高野守生を知るための5つの質問

Q1. いま、取り組んでいる活動について教えてください。

『ファーマDX(デジタルトランスフォーメーション)』という、農家のデジタル化をし、日本の農業文化を後世へ引き継ぐことを目的とした、スタートアップ事業『Acreate』を立ち上げました。

『農業DX』っていう言葉は、最近よく使われるようになってきたと思うんですけど、それとは別物で。ドローンや最新テクノロジーを活用した機械や設備投資などを促すのではなく、農家さんにもっとデジタルツールを活用してもらうためのサポートをしています。たとえばオンライン販売の促進。『BASE』というサービスを使った、オンライン販売の導入を進めています。

2023年の1月に合同会社として登記する予定で、いまはそれに向けての準備しているところです」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

高校1年生のときに参加した、地元の課外活動がきっかけです。全部で5回ぐらいのワークショップで、最後には市長の前でプレゼンをしました。そこでは食品ロスをテーマにしていて。もともと起業には興味があったけど、そのとき出会った大人の方に起業を勧められて、チャレンジすることにしたんです。

農業を軸に起業をしたいと思ったのは、祖父が米農家をやっていて、まわりの農家の高齢化や後継者問題などについて、よく話を聞いていたから。自分で作物をイチから育てるという、農業の素晴らしさや魅力を、もっと同世代や若い世代に広めたいと思い、ネットやSNSを活用したサービスを立ち上げることにしました

Q3. 活動を始めるときに、いちばん最初におこなったファーストアクションは?

Twitterです。人脈をつくるのと、多くの人に僕のことや事業のことを知ってもらえる最適なツールだと思い、Twitterアカウントをまず作りました。

1年ちょっとでフォロワー680人まで成長し、いろんな人に認知してもらうことができました。また、Twitter経由でいろんなところから声をかけていただく機会があり、自分自身を成長させることができたと思っています。

あとは、サイバーエージェントやZOZOといった企業の決算スライドをよく見ていました。デザインや構成が、上場企業のものとは思えないぐらいユニークなんです。それらを参考に、Acreateの事業を説明するスライド資料をつくりました」

 

Q4. 自身の考えや活動に影響を受けた人、ものなどがあれば、教えてください。

Repezen FoxxのDJ社長に影響を受けました。彼は起業を志して大学を中退し、さらに失敗をしまくって、借金が10億円あると公言しています。だけど『俺ならできる、俺ならできる』と常に考えていて、根拠のない自信をもっています。その考え方にすごく感動して……。

僕自身、小学生ぐらいのころから漠然と『社長になりたい』という思いはあったんです。けど、起業なんて現実的じゃないかな……と思っていたこともあったし、応援してくれる大人がいる一方で、『どうせ失敗するだろう』と言われたこともありました。

だけどそんなときに、DJ社長の書いた歌詞がすごく響いて。『僕でもできるんだ!』というマインドに変わり、ようやく起業に踏み出すことができました」

Q5. 活動を通して、社会で実現させたいビジョンがあれば、教えてください。

「高校生起業家という存在が、もっと世間から認めてもらえる環境になってほしいです。高校生が起業家することって、世間から見たらまだまだ一般的ではないし、応援されている感じがしなくて。

やっぱり融資も下りにくくて、金銭面でもすごく大変だし、そもそも親から認められないケースがほとんど。そんな環境だと、挑戦したくても、なかなか踏み切れなかったりするじゃないですか。だからいつか、自分よりも若い人たちの挑戦を支援できるような人になりたいと思っています。そのためにも、まずは行政などとも連携しながら、Acreateの事業を大きくさせていきたいです!」

高野守生のプロフィール

年齢:18歳
出身地:静岡県富士市
所属:富士市立高校、Acreate代表、TeenWorkerマーケティングチーフマネージャー
趣味:音楽を聞くこと
大切にしている言葉:「最低な失敗だった、最高な経験だった、死ぬほど悔しかった、その分死ぬほど頑張った、震えながら首震わす、歯食いしばり腹くくった、莫大な借金と膨大な夢を手に、友に笑われながら、親を泣かせながら、満身創痍狂ったように、走り抜けた道、神なんていねぇーよ、運命なんてねぇーよ、俺が選ぶ素晴らしきくそったれな人生」(Repezen Foxx『花鳥風月』の歌詞)

高野守生のSNS

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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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