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ジビエを通して山や人の暮らしをサステナブルに。アートと狩猟の融合を目指す高校生【Fuujîî・16歳】

ジビエを通して山や人の暮らしをサステナブルに。アートと狩猟の融合を目指す高校生【Fuujîî・16歳】

気になる10代名鑑」の272人目は、|Fuujîî《フジ》さん(16)。通っている高校の活動プロジェクトの一環として、ジビエ料理を広める活動をしています。狩猟の世界のことや猟師の仕事の現状をより多くのひとに知ってもらいたいと語るFuujîîさんに、興味を持ち始めたきっかけや、活動にかける思いについて聞いてみました。

Fuujîîを知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

起業コースのある高校のプロジェクトの一環として、ジビエ利用を促進するための活動をしています。実は、獣害を防ぐために駆除されたシカやイノシシでも、食用などで再利用されるのは1割以下で、ほとんどは処分されているのが現状で。ジビエというのは、いただいた命を無駄にすることなく扱うひとつの方法なんです。

いまは、大きな休みになると、千葉県の猟師さんに同行して、獲ったり捌いたりしながら、ジビエについての理解を深めつつ、普段は学校でビジネスコンテストに向けて、ひたすら資料づくりをしている毎日です。

ほかにも、狩猟や獣害の現状を知ってもらうために、シカの骨を使ったキーホルダーを作るワークショップもおこなっています

それからジビエの活動とは別に、趣味で映像制作やCG制作をやっていて、作品ができたらInstagramに投稿したりもしています」

 

 

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Q2. 活動を始めたきっかけは?

山から人が離れていっているなかで、山と人を繋げることができないかと考えはじめたのがきっかけです。

小さいときから、キャンプに行ったり、虫を採ったりと、自然が好きだったので、自然と関われる方法は何かを考えていたんです。ようやく、高2になってから、ひとつ上の先輩に誘われて、狩猟を体験できる機会があって。狩猟の現実やジビエについてとても興味が沸いて、自分が取り組むプロジェクトはこれにしようと決めました」

Q3. 活動するうえで大変なことはありますか?

「生き物の命をいただく仕事なので、当然、残酷ではあります。はじめて罠にかかった獲物の処理をしたとき、彼らの目力や鳴き声などに圧倒されて、生きてきた中で感じたことのない感情を抱きました。

そして、獲物を仕留めてからがまた大変で……。鮮度を保つために、血抜きや内臓を取り出すまでを、1時間でこなさなければいけません。猟師というのは、体力的にも精神的にも、かなりつらい仕事なんです。

でも、山に獣が増えれば、食べるものが足りなくなって、民家や畑を襲ってしまう。そうなると、農家のひとは生活ができなくなる。よくジビエは、菜食主義の人たちからの批判の対象になるけど、そういう人たちだって、目の前にある獣害を放置していたら、十分な食料が手に入らなくなるかもしれない……。

都会に住んでいるとわからない獣害のリアルを、猟師さんから聞いているからこそ、誰かがやるべきことなんだと思って、この活動を広めていくことに決めました

Q4. 最近始めた挑戦はありますか?

「学校に、映像を撮っている子や、絵を描いている子、音楽を作っている子など、クリエイティブな活動をしている友だちがたくさんいて。そういう子たちを集めて、アートチームをつくろうとしている段階です。

アートはとても興味のある分野なので、いつかは、狩猟の経験と掛け合わせて、何か新しいものを形にできたらなって思っています

Q5. 将来の夢を教えてください。

「まだハッキリとは決めていなくて、絶賛悩み中。いまはいろんな大人のひとに会って、アドバイスをもらっている最中です。

でも、刺激のあることをずっとしていたいし、その刺激を他の人にも共有していけたらいいですね。自然にまつわることを軸にしていたいって思っていますけど、比較的趣味が多いほうだから、それを掛け合わせられる仕事がベストかもしれません。

ジビエのことでいえば、鹿や猪のお肉が、スーパーマーケットで並んでいる社会になってほしいです。海外では当たり前の光景なんですけど、日本は規制が厳しくて、なかなか実現しないみたいなんです。でももっと、ジビエのおいしさを知ってほしいですし、廃棄されてしまう残り9割のお肉を、無駄なくいただく、サステナブルな社会の選択肢になるような仕組みを考えられたなって思います」

Fuujîîのプロフィール

年齢:16歳
出身地:東京都
趣味:アウトドア、映像制作、落書き、音楽、狩猟
特技:金魚すくい 変な絵を描くこと
大切にしている言葉:裸を見るな、裸になれ(1975年のPARCOのポスターのコピー)

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Photo:Eri Miura
Text:Atsuko Arahata

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