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なんで高校生のうちから文理選択するの?元文系の高校生研究者として、社会とアカデミアをつなぐ【松岡沙和・17歳】

なんで高校生のうちから文理選択するの?元文系の高校生研究者として、社会とアカデミアをつなぐ【松岡沙和・17歳】

「気になる10代名鑑」1416人目は、松岡沙和さん(17)。学生の理数系探究活動の普及を目指す「Lab to Impact」の代表として、教育現場での理数系研究の促進やハブづくりに力を入れています。昨年まで高校の科学部部長として、部員を全国高等学校総合文化祭の最優秀賞に導いた経験も持つ松岡さんに、活動のきっかけや将来の展望を聞いてみました。

松岡沙和を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力れている活動は?

「『Lab to Impact』の代表として、自然科学分野の研究の底上げと研究の社会実装というふたつの軸を掲げて活動しています。

たとえば、AIの発展に伴う倫理問題のような新しい課題に対して、文系・理系どちらかの知識だけではアプローチが難しいと思っていて。そこで、高校在学中から、文理問わず理数系の探究活動に取り組めるよう、自然科学分野の探究支援や講演をおこなっています。

また、大学や高校での研究が社会実装につながっておらず、研究が経済に与えるインパクトが低下しているという実感もあります。そこで、『Lab to Impact』では専門的な研究と社会の距離を狭めるため、高校生の研究論文をデータベース化するアプリを開発し、その実装を始めました。高校生が研究シーズを自ら発見することができるハブづくりを目指しています。

個人的な研究としては、高校1年と2年のときにニュージーランドでフィールド調査をおこない、岩石の鉱石の化学組成を発見したり、タコの腎臓に生息する寄生虫の研究をしたりしてきました」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけは?

「進路選択のときに、英語と歴史系の科目が好きだったという理由から文系を選択したのですが、授業でたまたま化学の実験をしたときにとても楽しくて!それで、『なんでこんな早い時期に文理を選択しないといけないんだろう』と疑問に感じたんです。

また、中学1年生のときに出会った塾講師の存在がいまも活動の根底にあります。成績が悪かったわたしに、『絶対伸びるよ』と言ってくれて。そのときのわたしはその言葉を信じモチベーションが上がりました(笑)。『受験のためではなく、人生が豊かにするための勉強をしなさい』という先生の姿勢に、知的好奇心を持つ大切さを教えてもらいました」

Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?

「高校1年生の春から科学部に所属しています。なんとなくで足を踏み入れた科学部でしたが、昨年部長を経験し、部員一人ひとりにいかに真剣に向き合うか考える1年を過ごしました。

科学部には、これまで真面目な部員がたくさんいて、失敗と実験を繰り返す研究のなかで、最後には成果を上げてほしいと思っていました。そこで、部員一人ひとりの研究、ひいては人生に向き合うためにはどうしたらいいのか悩んで……。研究の仕方って、研究者の個性がとても反映されるんです。つまり研究で見直しが必要なとき、部員の性格や意識そのものにアプローチしないとと考え、1対1でどうしたら周囲と協力して研究できるかなど話をする時間を設けました。最終的には、部として全国高等学校総合文化祭に出場し、そのうちひとつの班が『文化庁官賞』を受賞することができました。

わたしが1年生のときに先輩にたくさんお世話になったんです。先輩たちが卒業してその恩を直接返すことはできないからこそ、同期や後輩に渡していこうという気持ちでしたね。この経験から、研究者たちを社会とつなげるという方法で支えることができたらいいなと思い、いまに至ります」

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

「『自分たちがやりたいこと』と『社会的に実現可能なこと』のギャップに悩まされています。

以前出会った大人に、『あなたがノーベル賞を取ったほうが早いんじゃない?』と言われ、教育現場の改革や理数系研究と社会をつなげることの大変さやどれだけ時間がかかるかを痛感しました。

でも、わたしひとりがノーベル賞を取っても、ひとつの研究が莫大な利益を生むことはないと思うんです。先人たちの研究が積み重なって、わたしだけでは到達できないことも成し遂げられるようになります。それを全国で生み出すようなハブになりたいんです」

Q5. 将来の展望は?

「団体としては、G7のなかで最下位である日本のGDPを上げることで、日本の国力を高めることに貢献したいです。日本を世界一のイノベーション大国にすることを目指して、技術の面から日本の産業を支えていきたいです。

その一方で個人としては、利益ばかりを追い求めるのではなく、目の前の人と対話しながら、その人がどうしたらしあわせになれるかをいっしょに考えていくような人でありたくて。『出会えてよかった』と言ってもらえるようになりたいです。

中学1年生のときに出会った塾講師の言葉がなかったら、わたしはここまでアクセルを踏めなかったと思うんです。先生に見つけてもらえた感覚でした。わたしも、先生のように誰も取り残さず、可能性をそっと後押ししてあげられる人になりたいですね」

松岡沙和のプロフィール

年齢:17歳
出身地:兵庫県
所属:Lab to Impact
趣味:ちいかわ
特技:お菓子作り
大切にしている言葉:凡事徹底

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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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