
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ペットの野生動物化についてご紹介します。
動物愛護週間に考えたい、命への責任
9月20日から26日は「動物愛護週間」。動物を愛することは「かわいがること」だけではありません。「飼いたい」と思ったとき、その命に最後まで責任を持てるか。その視点もまた、動物愛護には欠かせないものです。
世界最大規模の自然環境保護団体である世界自然保護基金ジャパン(以下、WWFジャパン)は、2026年に入ってから、日本のペット需要が海外の野生動物や外来種問題とつながっているという調査報告書を公表しました。どのような報告がなされているのか、詳細を見ていきましょう。
日本は世界有数の「野生動物輸入国」
近年、ヘビやトカゲ、カメレオン、珍しい鳥類など、いわゆる「エキゾチックペット」を目にする機会が増えています。こうした動物の多くは海外から輸入されています。
WWFジャパンの調査報告『消費に伴う責任-日本の生きた野生動物の輸入-』によると、日本は世界有数の野生動物輸入国であり、特に爬虫類や両生類では世界トップクラスの輸入規模であることが明らかになりました。

輸入される動物の中には、絶滅危惧種や希少種も含まれています。報告書では、日本が輸入したワシントン条約掲載種の中に多くの絶滅危機種が確認されたほか、一部では野生で捕獲された個体の取引も続いていることが指摘されています。
もちろん、適法に繁殖された個体を適切な手続きで流通させること自体が問題というわけではありません。しかし、日本の消費が世界の野生動物に影響を与える可能性があることは、ペットを迎える際に知っておきたい事実です。
私たちがペットショップで見かける一匹の動物にも、生息地や生産者、輸出入の仕組みなどのバックボーンがあります。かわいい見た目や珍しさだけでなく、「どこから来た動物なのか」という視点を持つことも、命を大切にする第一歩と言えます。
ペットが外来種問題につながることも
ペットとして飼われる動物は、本来は人間の管理下で暮らします。しかし、脱走や遺棄によって野外に出た動物が定着すると、外来種として問題を引き起こすことがあります。
WWFジャパンの調査報告書『ペット由来外来種:日本における現状と課題』では、日本で問題となっている外来種の中に、もともとペットとして流通していた動物が多く含まれていることが示されました。哺乳類では32%、鳥類と爬虫類ではそれぞれ76%がペット利用と関係しているとされています。
たとえば、現在、多くの果樹の産地で獣害が問題となっているアライグマもかつてはペットとして輸入された動物でした。「かわいいから」と輸入されたものの、一般の家庭で人間と暮らすのは難しく、脱走や遺棄が発生しました。2023年には4.8億円の農作物被害を発生させるほどのインパクトを与える動物となってしまっています。

また、海外ではバーミーズパイソンというヘビが外来種として定着、日本においてもグリーンアノールというトカゲが小笠原諸島や沖縄諸島で定着しつつある事例もあります。気候変動に伴う気温上昇で、爬虫類や両生類に適した温暖な環境が増えている中で、その他のエリアでも脱走や遺棄が発生すれば将来的なリスクになり得るのは明らかです。
外来種問題の多くは、人間が持ち込み、管理を怠った結果として生じる問題です。そして一度定着してしまうと、元の状態に戻すには大きな労力と費用が必要になります。
動物愛護とは「責任を持つこと」
法律やルールを守って動物を飼うこと自体は問題ありません。多くの飼い主は家族の一員として動物を大切に育てています。動物を迎える以上、最後まで責任を持つことが大切です。
エキゾチックペットも含め、ペットとして迎える際には脱走防止対策を含めた飼育環境の準備が欠かせません。動物愛護週間を機に、「かわいい」だけではない飼い主の責任について考えてみてはいかがでしょうか。
Text:Itsuki Tanaka






