
「気になる10代名鑑」1388人目は、岡﨑駿さん(17)。偏差値や正解至上主義に違和感を抱いた経験から、教育に関する政策提言に力を入れています。一人ひとりが自分の価値を感じられる社会を目指し活動する岡﨑さんに、活動にかける思いや将来の展望について聞きました。
岡﨑駿を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「教育に関する政策提言をしています。
先日は、国連事務総長の特別代表として児童に対する暴力を担当されているナジャット・マーラ・ジムートさんへの意見表明の機会もいただきました。
最近は『AI時代の教育』についても政策提言をしました。AIの発達で、『正解』というものがない時代になっている中で、基礎学力や既存の科目の学習だけではなく、課題発見の力や、課題を解決する力など、AIでは補えない力を教育の中で身につけていく必要があるのではないかと考えています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「中学校受験をしましたが、残念な結果になって地元の中学校に進学しました。そこから、点数や偏差値というものを重視するようになり、自分の中で『間違える』ということがすごく怖くなったんです。
受験より前は、先生が『この問題がわかる人』と挙手を促したときに、積極的に発言できるタイプでした。でも受験を経て、自分の答えが本当に合っているのか不安になって、手を挙げられなくなりました。
本当は教室は間違ってもいいところで、どんどん失敗していい環境であるはずなのに、偏差値や正解至上主義みたいなものに縛られている感覚があって、問題意識を持つようになりました。
高校に入ってからも、予習が不十分だった生徒が先生に罵倒されている場面を見ました。そのときに、『教室はやはり間違える場所じゃないのかな』と思って、改めていまの状況はおかしいと感じました。
ちょうどその頃に、こども家庭庁の『意見ひろば』という、学習指導要領の改定に向けて子どもたちから意見を聞く活動を知り、参加を決めました」
Q3. 活動のなかで印象的だったことは?
「こども家庭庁の『意見ひろば』に参加したときに、自分の意見が中央教育審議会での資料の中で扱われたことです。
子どもたちの意見として間接的な掲載でしたが、それでも実際に使われた資料を見て、『自分の意見が反映されている』と感じた経験はいまのやりがいにつながっています。
また、国際子ども権利センターの甲斐田万智子先生と出会ったことも印象的でした。この出会いから、国連の特別代表であるナジャットさんに意見表明をしたり、交流したりする機会にもつながりました」

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「『普通』や『当たり前』という言葉の使い方には気をつけています。誰かがつくった、よく分からない枠や基準に当てはめられているような気がするからです。
自分にとっての『当たり前』が、他の人にとっても『当たり前』とは限りません。だからこそ、『それは普通でしょう』『仕方ないでしょう』と片付けてしまうのではなく、本当にそうなのかなと一度立ち止まって考えるようにしています。『仕方ない』という言葉は、それが変わらないものだと認識してしまうことにもつながると思うからです。
教育についても、いまある仕組みを当たり前だと思うのではなく、理不尽だったり、違和感を覚えたりしたことを『仕方ない』で終わらせずに、なぜそうなっているのかを考えることを大切にしています」
Q5. 将来の展望は?
「誰ひとり取り残されない社会をつくりたいです。
『抽象的だね』と周りの人からよく言われます。でも、いまの社会は、『どう社会に貢献しているのか』というように、生産性の尺度で人間の価値を測られることがあると思っていて。そうではなくて、自分が生きているということ自体に大きな価値があると思えるような社会にしたいです。日々忙しくて、なかなかそういうことに気づきにくいからこそ、一人ひとりが自分の価値を意識できるようにしたいと思っています。
そのためにも、まずは一人ひとりが、自分の身の回りにある理不尽さや違和感に気づき、それを自分の問題として考えられるようにしたいです。そうした気づきが、社会への興味や関心を持ち、自分なりに課題を見つけて解決していくきっかけになると思っています。教育の中でも、児童生徒がさまざまな経験を通して、社会にはどのような課題があるのかを考えられるようにしたいです。
大学では、日本型の学校教育が社会にどんな影響をもたらしてきたのかを、教育社会学や教育経済学などの分野から、データに基づいて客観的に分析したいです。
その上で、これから日本の学校教育がどう進んでいくべきなのかを考え、将来的には理想の学校をつくってみたいと思っています。そして、その学校での実践や研究、それまでの経験を踏まえて、政策にもつなげていきたいです」

岡﨑駿のプロフィール
年齢:17歳
出身地:岡山県備前市
所属:NPO法人SPAC
趣味:音楽を聴くこと、ポッドキャストを聴くこと、鉄道旅
大切にしている言葉:上げた声は残る、その声はきっと誰かの力になるときが来る。微力だけどゼロじゃない。
岡崎駿のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuka Miyazaki







