
「気になる10代名鑑」1306人目は、磯田そらさん(19)。尊敬する父が代表を務める団体で、スリランカやモンゴルに赴き、現地の人と交流しながらインフラを整備するボランティアに携わってきました。幼い頃から身近にあったこの団体を通じて成長を重ねてきたそらさんに、印象的な出会いや実現したいヴィジョンについて聞いてみました。
磯田そらを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「立教大学で社会問題やまちづくりについて学びながら、NPO法人『グッド』で国内外のワークキャンプに参加しています。
この団体は、父が代表を務めているのですが、寝食を共にするキャンプを通して、一対一で向き合う場を提供していて。学生や社会人だけでなく、不登校や引きこもりを経験した人など、対象としている若者の幅は広いです。
これまで、スリランカやモンゴルへ行き、現地の人たちといっしょに道路をつくったり、公園の遊具にペンキを塗ったりといったインフラ整備をおこなってきました。
スリランカに行ったときは、ホームステイをしながら、毎日汗を流して道を整え、最後にみんなの名前を刻みました。そんな“つくる”過程を通して、現地の人たちとの交流はもちろんのこと、参加した他のキャンパーとの一対一の対話を大切にしています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「父が代表なので、生まれたときから、身近に全国からたくさんの若者が集まるフリースペースがある環境で育ちました。
物心つく前、なんなら赤ちゃんのころから、そこに集まる学生や社会人のキャンパーたちにスタッフにおんぶされたり、可愛がられたりして育ってきたんです。
そんな何事にも全力でぶつかっていくかっこいい大人たちの背中を見てきたことが、いまのわたしの原点になっています」
Q3. 活動するなかで印象的だった出会いは?
「大学1年生の春に参加したキャンプでの出来事です。
それまでは『自分はポジティブで、人ともすぐに仲良くなれる』と思っていました。ところが、いざ対話の場になると、相手を深く知ることよりも、お互いに顔色をうかがうような、どこかぎこちない空気感になっていることに気づいて。どこか、会話をすること自体が目的になっているような感覚でした。
そのとき、自分のポジティブな性格は、実は嫌なことや向き合うべきつらいことから逃げるために、無理に明るく振る舞うことで自分を維持していただけだったんだと気づきました。
ワークキャンプは、世界を知るだけでなく、そうした自分の無意識の言動や、弱さに直面する場所でもあると感じています」

Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?
「『自分にベクトルを向けない』という言葉を大切にしています。
自分がどう見られているか、うまくやれているかといった不安に意識を向けるのではなく、目の前の相手がどう感じているかに集中することで、人との関わりがぐっと面白くなるからです。
また、父からの『好き嫌いをするな』という教えもわたしの価値観をつくっています。小さいころ、海外でドリアンを食べてみたり、イナゴの佃煮をご飯にのせられたりしたこともあって(笑)。びっくりする人も多いと思うんですが、そのおかげでどんなことでもまずは興味を持ってみようと、楽しめるストライクゾーンが広がりましたね」
Q5. 将来の展望は?
「将来の夢はまだ決まっていませんが、学生のうちにできるだけ自分の知る世界を広げていきたいです。
これまでは周りの環境に影響されて海外は面白いと思ってきましたが、最近は大学のボランティア団体でフィリピンでのワークキャンプに参加したことで、自分の好奇心で動く楽しさをようやく実感できました。
わたしが生まれたときから続くような団体と、そこにいる面白い人たちをまとめる父は、わたしよりもっと世界を広く知っている人です。世界のことを知識として知るだけでなく、自分の足で現地へ行き、リアルで物事を知る感覚を積み重ねていきたいです」

そらのプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都板橋区
所属:立教大学、NPO法人グッド
趣味・特技:人と話すこと、読書、生き物と触れ合うこと、ポジティブでいること
大切にしている言葉:自分にベクトルを向けない、なんとかなる
Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






